オンラインゲーム上で、クレジットカード、銀行カード、電子マネーもいらずに、その場ですぐに決済が完了
インターネットでMMORPGなどで遊んでいると、何かしら便利なアイテムが欲しくなる。
例えば、直ぐにその場で復活できて、経験値もアイテムもロストしない魔法の薬。目的地に一瞬でワープできる魔法の羽。敵を倒した時に手に入る経験値が二倍になる薬など。
アイテム課金のゲームではお馴染みの便利なアイテムだが、いざ購入するとなると、現金をポイント化してチャージする必要があるので手間がかかる。クレジットカードは便利だが、子供では契約できない。電子マネーだとコンビニにわざわざ買いに行く必要が出てくる。
だが、これからのオンラインゲームでは、面倒な手続きなしで、直ぐに欲しい課金アイテムを購入できるようにようになるかもしれない。
嘘だ。そんな話、とても信じられないと、思う方も多いだろう。しかし、アメリカではそのような驚くべきサービスが開始されて大きな話題を提供している。サービス名は「Kwedit(クウェジット)」という。
Kwedit(クウェジット)とは
先にお金を払いますという約束だけで、ゲーム内の課金アイテムが買えてしまうサービス。しかも法的拘束力もない。そのアイテムを買って、本当にお金を後で払うかはまさにユーザーの良心次第。法的拘束力がないので、日本でも問題になっている子供がインターネット上で、高額な買い物をしてしまい、親が代わりに支払う義務があるわけでもない。
ペット育成ゲームにて「Kwedit(クウェジット)」で決済する画面。
まさに驚くべきことなのだが、このようなサービスがなぜ成立して、しかも実際運用されているのか興味がわかないだろうか。そこには逆転の発想があった。
ユーザーによる支払い率は26%Kwedit側が先日発表したところによると、正式サービス開始から約1カ月が経過した時点で、ユーザーによる支払い率は約26%という。つまり、4人に1人しか実際には払っていない。なんだ、全く利益が出ていないじゃないかと思った方、よく考えてみて欲しい。「アイテム課金」というのが何なのかを。
アイテム課金というのは、実際の商品を売買するわけではない。ゲーム内のデータを売買するのだ。つまり、実物も在庫も無限ということである。その前に開発費がかかっているのだが、1つ作ればデータは一生残るわけで、追加の開発費がかかるわけでもない。
逆に言えば、4人に1人も払っていると考えることもできる。そして、今まで課金アイテムでは、取り込むのが難しかった子供の世代が中心になっているのも見逃せない。
といっても、全く払わなければペナルティーがないわけではない。払わなければ自分の信頼度を表す「Kwedit Score」が下がってしまい、いつしか取引ができなくなる。だが、逆にしっかりと払い続ければ、スコアのポイントが加算され、さらに多くのアイテムを買うことができるという。
「Kwedit Score」表示もわかりやすい。
まさに逆転の発想とも言える決済サービスである。26%でも利益が出れば嬉しいと考えるのか、74%は利益になっていないと考えるかはメーカー次第であるが、新しい層を取り込めて、収益率が見込めるなら、こうした決済サービスも悪くないかもしれない。
Kwedit(クウェジット)